2018年2月11日日曜日

第18回特別講座「地球のメッセージを知ろう。未来へメッセージを送ろう。第2章」

一昨年11月に開催した第15回特別講座「地球のメッセージを知ろう。未来へメッセージを送ろう。」の続編(その第2章)講座として、1月28日に開催しました。

今回の講座の会場は「港区立エコプラサ」と「浜離宮恩賜庭園」。
浜離宮恩賜庭園では冬の渡り鳥「鴨たち」を実際に観察し、港区立エコプラサでは渡り鳥たちの生態に関する貴重な講義に参加できる、なんとも贅沢なプログラムになりました。

講座の集合場所は港区エコプラザ。
恒例のアースデイ大学代表のオリエンテーションから講座はスタートしました。
残念ながら、「数日前の大雪&寒さ」と「インフルエンザ大流行」の影響があって、参加予定の方々の大量キャンセルが出てしまったのですが、逆に少人数のアットホームな講座になりました。
今回のゲスト講師は、前回に引き続き、樋口宏芳先生(東京大学名誉教授)。鳥類学・生態学の第一人者で、世界中で活躍されているので、講義を直接聴けること自体が有難いことです。
そして、浜離宮恩賜庭園の中山なつ希さん(浜離宮恩賜庭園サービスセンター長)に案内をいただき庭園内の観察を進めることが出来ました。

オリエンテーションの後、いよいよ浜離宮恩賜庭園に出発です。
道中はちょっとした、都心の中での遠足気分。こんな道があるんですね〜と関心しながら進みました。道草しないように(笑)
そして、恩賜庭園に到着。
ここは都心のど真ん中の、高層ビルに囲まれている緑豊かなエリア。ちょっと不思議な、貴重な場所ですね。地図を見ると良くわかります。
早速、観察がスタートしました。鳥を見つけては、その場が、樋口先生の解説がある鳥観察教室に大変身。少し進んでは止まったりと、なかなか前進しません。だけどワクワクしますね。

ここ浜離宮恩賜庭園は江戸時代の代表的な大名庭園。将軍家の鴨狩場(鴨場)でした。その跡が残されているのが興味深かったですね。
この小さな小屋が観察小屋。小さな丸窓から池にいる鴨を見ていたそうです。「あっ、鴨が数羽います!」
そして、この細い水路に誘き寄せて、鴨を捕獲していたそうです。へぇ〜

この庭園は海とも繋がっていました。潮の満ち干によって池の趣が変わる工夫が施されています。庭園の海側でも、多数の鴨の観察をしました。
あっ、水上バスもここを通過するんですね。手を振って挨拶!
海と繋がっている庭園内の「潮入の池」。ここでも数種の鴨たちの観察ができました。
おっと、鴨が集まっている上空には、トンビが旋回中。狙っていますね。。
潮入の池周辺には幾つかの御茶屋が建っていますが、建物内に「鳥を模した遊び心」が発見できました。粋ですね。
そして、あっという間に、エコプラザに戻る時間になりました。恩賜庭園の皆様、お世話になりました。

エコプラザに戻って、後半は樋口先生の特別講義です。
渡り鳥が「世界の自然と自然、人と人を繋いでいる」をテーマとした、非常に内容の濃い講義でした。
様々な渡り鳥の「渡り」について、アニメーション等を交えてお話いただき、鳥が地球上を国境を越えて渡っている様子を、非常に分かりやすく、興味深くお話いただきました。参加者はグイグイ引きこまれていきましたね。
鳥たちは、渡りの目的地を「何丁目何番地」位まで正確に記憶し、同じ場所に戻ってくる能力を持っているそうです。凄い!
講座の後半では、その渡り鳥たちの「渡り」をめぐって、「同じ鳥の群れを、いろいろな国や地域の人たちが見ている=渡り鳥を通して、人間が国境を越えて繋がっている」。そして、この繋がりが「国境を越えた環境保全活動」に展開している話がありました。
「繋がり」を考えることが、現代の自国中心主義(○○○First)に忘れがちになってしまっていることなのかもしれませんね。とても重要なメッセージでした。

講義後、参加者の皆さんと一緒に、本日の講座を振り返りしました。少人数ならではの距離感の無い雰囲気で講座は終盤に進みます。
最後に、本日の講座を通しての気づきを、皆で「未来へのメッセージ」としてハガキに書いて込めました。参加者一人一人の「未来への自分にメッセージを贈る」ことで、未来の社会の為に、自分にできることは何かを考えてもらいました。このハガキは「来年の新年」に皆さんの元に配達されます。参加者の皆さん、お楽しみに。


そして、講座終了時間となりました。ご参加いただきました皆様、講師の皆様、港区立エコプラザの皆様、大変ありがとうございました。(ハイ・チーズ!)

「渡り鳥」をテーマにして「繋がり」を考える当講座は、今回で2回目になりました。この講座のユニークな視点は、渡り鳥に対する「日本での活動」は、渡り鳥が飛来する海外各地域にも繋がっている「グローバルな活動」であるということです。決して、海外に赴いて活動することだけではありません。目の前に起きていることへの気づきが、地球全体の未来に繋がっている視点。ここに新しい発見があると有難い限りです。これからもシリーズ展開をしていきたいと思います。

2017年9月24日日曜日

第17回特別講座「秋分の頃、超高層ビル街の谷間に響く羽音 みつばち×蜜源植物」

第17回特別講座は、秋分の日( 9月23日)に開催。今年は天候不順な夏でしたが、秋らしい活動しやすい天候の下での開催となりました。

この「みつばち」講座は、今回で3回目の開催になりましたが、おかげさまで大変ご好評をいただいている講座になりました。本当にありがとうございます!

今回は、会場となった「港区立エコプラザ」について少しご紹介します。
場所はJR 浜松町駅から徒歩5分程度。外から見るとガラス張りですが、屋内には木材を多く使用している居心地のいい空間が広がっています。
そして、この場所は、あの「慶應義塾」の跡地(1868年〜1871年)でもあるんです。ここに、日本が明治維新の時、福沢諭吉を始めとした学ぶ者たちが集っていたんですね。この様な場所での講座開催は、なんだか感慨深いですね。

さて、今回は30名の方々にご参加いただきました!ありがとうございました!
親子参加が多いのですが、子供達にとっても、親世代にとっても、学ぶことが多い講座になります様に。

いよいよ、講座スタートです(キーン・コーン・カーン・コーン♪〜)
まずは恒例のオリエンテーションから始まりました。

講座の前半は、エコプラザを飛び出してのフィールドワークです。
フィールドワーク第1弾は「都心の蜜源植物観察」へGO!。お馴染み、ゲスト講師の佐々木先生(玉川大学名誉教授)の青空授業のスタートです。
街の風景の中にある植物が茂っている場所が、全て学びの場所になるなんて、素敵ですよね。先生のアグレッシブな講義に、子供達も大人達も、どんどん引き込まれていきます。
蝶の幼虫を発見(角を出している)!子供達は大盛り上がり!
山手線や新幹線の線路脇も、学びの場です!
そして街歩きは面白いですね。今回はトンネルをくぐったり、
消防署の前で、突如、講座が始まったり、、意外性がとても楽しいですよね。
そして目的地、福祉プラザ「さくら川」に到着。このビルの屋上にGO!
ビルの屋上からは、高層ビル群が目に入ってきます。そして「東京の空」を(久々に?)眺めることもできました。
そして、そういう環境に養蜂場があるんです。すごい!

ここからは、フィールドワーク第2弾「養蜂」体験。
お馴染み、ゲスト講師の高槻さん(新橋はつらつ太陽 施設長)の青空授業のスタートです
子供達は(大人達も)はちみつ大好き!
「はちみつが、できるまで」を実体験しながら、採れたてのはちみつをペロリ!
みんな美味しい顔しています(笑
続いては、宇宙服みたいな防護服を着て、蜂の巣箱見学。
この防護服を着用することを含めて、非常に貴重な体験なんです!みんなで大撮影大会になりました。
養蜂体験が終了し、いざ、エコプラザへGO!

エコプラザに戻って、講座後半は、佐々木先生のみつばち講座です。
毎回楽しみなのですが、今回は、みつばちの「カラダの不思議」!すごい!
「みつばちのカラダが、どうなっているのか?」を、図や電子顕微鏡写真を駆使して説明いただきました。今まで見たことがない映像や画像に、グイグイ引き込まれていきます。
まとめとして、佐々木先生から、とても大切なお話があったので、ここに記載させていただきます。

「世界の作物の上位100種の内、75%が花粉媒介を昆虫に依存している」
「その代表格がミツバチ!」
これ凄い話ですよね。最近、みつばち減少が世界各地で起きているそうです。みつばちの生息が、我々の「未来の食生活」に影響しているなんて、考えもしませんでした。
地球上の生きものは「つながっている」ことを痛感しますし、本当に「自然界の声」に耳を傾ける必要がありますね。
そして、終了時間に。
3時間強の講座になりましたが、皆様お疲れさまでした(ハイチーズ!)

繰り返しになりますが、今回で3回目のみつばち講座になりました。今では受講エントリーが難しい程に大好評をいただく講座になりました。応援していただいているゲスト講師の佐々木先生・高槻様、そして、養蜂場のスタッフの皆様、エコプラザの皆様、本当にありがとうございます。

この講座が他講座と違うポイントは、親子参加が多い点にあります。結果、子供たちの参加が多い講座になっています。「明日の地球」の象徴である子供たちに、この講座で何を感じてもらえるか?この講座での体験が、彼らの素晴らしい未来(=地球の素晴らしい未来)に繋がって欲しいと思います。