2014年12月23日火曜日

第4回特別講座「冬至こそ、地球の再生を想う 里山 X 写経」

第4回目となった特別講座は、冬至(12月22日)を目前にした12月20日に開催しました。今年冬至は、19年に一度の「朔旦冬至(さくたん・とうじ)」新月(朔)と冬至が重なる日=月の復活と太陽の復活が重なる日ということで、大変めでたいとされているそうです。そんな自然(宇宙)のサイクルの中で開催した「再生」をキーワードにした講座は、受講者の皆さんが一年を振返り、新たな一歩を踏み出す機会として、大変満足いただきました。その模様をレポートします。
今回の講座は、銀座にある中越パルプ工業様をお借りして、いつもとは違う雰囲気で開催しました。(中越パルプ工業様 大変ありがとうございました!)
講座の冒頭は、代表・生姜塚理恵からのオリエンテーションからスタート。なんだかプレゼンテーションっぽい雰囲気です。
講座第1部は「里山文化再生クロストーク」。ゲスト講師は、オルタナ編集長の森さん・中越パルプ工業の西村さんです。
冒頭、西村さんから、中越パルプ工業の日本初「放置竹林から紙を製造する」事業活動についてのレクチャーがありました。
中越パルプ工業は、日本各地に存在する放置竹林が、森林を破壊していることに注目。1998年から「竹紙」製造を開始されているそうです。多くの企業がそうだと想いますが、週末に社員が参加して実施する様な企業の「CSR活動」ではなく、社会貢献が企業の事業に組み込まれている(いわゆるCSV)ことを15年以上前から推進されていることは驚きでした。
その後、受講者も参加してのクロストークがスタート。受講者と講師の間で、活発なQ&Aが展開されました。印象的だったのは、「竹林=美しい風景」のイメージが強かったのですが、環境保全活動の中で「竹(放置竹林)」の問題が後回しになっている現状がある話。今後、より注目されるテーマになっていくといいと思いました。

続いて、講座第2部は写経体験。ゲスト講師は、天台宗僧侶の秋葉さん。
冒頭、法話がありました。元サラリーマンという経歴の秋葉さんのユニークな話と共に、写経とは?から、今回写経する般若心経のミニ解説まで、写経へのモチベーションがグングン高まっていきます。
いよいよ、写経開始です。
今回の写経スタイルは非常にユニーク!
よくある写経は「A3サイズ程度の紙に、お経を書き写していく(場所によっては、裏からお経を透かしてなぞっていく)」内容。しかし、今回は、中越パルプ工業からご提供いただいた、大きな模造紙サイズの「(講座第1部で登場した)竹紙」に写経する、自由なスタイルでした。
自由な分だけ、個性が出ますね・・・
約1時間の写経でしたが、終了後の「書き上げた!」という皆さんの爽やかな表情が印象的でした。
実は、もうひとつユニークな展開がありました。受講者ひとり一人が、葉書に「漢字2文字の自分熟語」を作成。一文字目は「今年出来なかったことを表す漢字」、二文字目は「来年の抱負を表す漢字」で構成されています。
講座の終盤は、自分熟語について皆さん自身が解説を加えて、今回の講座を振返っていただきました。皆さんの人生観や人生経験に触れることが出来、とても楽しい時間でした。
この葉書には、「皆さんご自身」宛に届く様に、ご自宅の住所を記入。新年「自分への年賀状」として配達される演出になっています。(実は、「サプライズ」付きで配達されますので、受講者の皆様はお楽しみに!)

ということで、3時間の講座はあっという間に終了を迎えました。ご参加いただきました皆様、ゲスト講師の皆様、ありがとうございました。
(写経を持って、ハイ!チーズ!)

今回、「共感したことを、行動に移す」ことについて深く考えさせられました。膨大な情報が降り注いでいる世の中で、共感できることは数多く存在しています。でも、その多くは、ただ共感して終わっていないだろうか?ニュースに頻出している様な地球上の諸問題に対しても、ただ共感して終わる「人ごと」になっていないだろうか?
共感したことを、行動に起こす。とても難しいことですが、そういう「志(意識)」を持って生きる人が増えることが、明日の地球をより良くすることに繋がっているんですよね。竹紙への挑戦も「志」があるから始まって、いままで続いている。
来年は、そんな「志」を持っている人が、少しでも増える世の中になりますように。

関連講座レポート第3弾「安全かつ美味しいものは命を作るー『新嘗祭』日本食の復活、日本古来の農業の復活ー」


関連講座第3弾は、2弾「秋の収穫祭」に引き続いて、11月16日(日)に用賀にある日本豊受自然農の会社で開催しました。セミナーは、前半に会長の由井寅子さんの講演、後半に「とらこ先生と食事をする会」という内容でした。新嘗祭とは、作物の収穫を神々に感謝する祭りで、「勤労感謝の日」の起源でもあります。豊受自然農の「豊受」は、豊受大神宮(伊勢神宮外宮)に奉祀となる、豊受大神を由来としています。
 由井さんは、「安全な食品をつくりたい、日本の食を農業から変えたい」という思いから、日本豊受自然農を設立しました。今現在では、食品について添加物や原材料の表示、多様なライフスタイルから朝食抜きや孤食など、わが国における食の問題は年々大きくなってきています。講演は、自身の子育て、闘病経験談を交えながら、日本古来の食事や農業の復活についての内容でした。会場いっぱいの参加者たちは、ときに驚き、ときにうなずきながら、熱心にメモをとっていました。

 由井寅子さんが考える「食べ物としての必要事項」は次の5つです。
1 身体に安全であること。無農薬、無化学肥料、F1でない自家採取の種であること。
2 素材のままで、香り強く、味濃く、まろやかで美味しいこと。
3 素材そのものの自然な色と形であること。
4 短時間で自然素材からできた調味料で料理すること。
5 愛情を込めて作った食べ物であること。
 
  後半の食事会では、和食弁当のメニューは次のようなものでした。



【お品書き(*豊受自然農野菜を中心にした無添加厳選素材を使用)】
1 鯖の味噌煮(セージの自然農ハーブ入り) *レトルト食品として購入可能
2 筑前煮                 *レトルト食品として購入可能
3 さつま芋の天婦羅 静岡産海水塩添え
4 人参葉の胡麻和え
5 さつま芋きんとん
6 沢庵甘酢漬け
7 黒大豆の炊き込み御飯
8 蕎麦の実ぞうすい(お椀)





 (和食弁当の惣菜を和食器に並べて披露する由井寅子さん)


食事の時間では、料理長の本田勝彦さんから素材や調理法について、由井さんから食事中は水分を控えめにして食材を十分に噛むという食べ方について、それぞれの説明もありました。
今回のセミナーでは、前回の「秋の収穫祭」と同じように、耳、舌、目、鼻、歯触りで、日本食の定番といったメニューを十二分に楽しみました。豊受オーガニックレストランは、12月にオープンします。

2014年10月27日月曜日

関連講座レポート第2弾「秋の収穫祭」

先週の関連講座レポートに続き、10月26日に開催された「秋の収穫祭(主催:農業生産法人 日本豊受自然農)」の様子をレポートします。
会場は静岡県函南。
東京から熱海駅に到着。そこから、車で30分程の駿河湾と富士山が一望出来る農場で開催となりました。
今回は、日本豊受自然農の代表「由井寅子さん(写真右)」により、自然農の魅力にグイグイ引き込まれていくという講座でした。寅子さんは、エネルギッシュで、とても素敵な女性でした!寅子さん曰く、「この場所は、飛行禁止エリアということで農薬の空中散布ができないんですよね。だから、安心して自然農ができるんですよ!」と。それから、寅子さんの農場では、原種の種を一番大切にしていて、農作物を自然農で育てる・作るというこだわりをもっています。今日は、こだわりをもった農場での秋の実りを大満喫した一日になりました!
アースデイ大学の代表 生姜塚理恵(写真左)と2ショット!
まずは、エキナシアの花摘み。
エキナシアは体の免疫力を高めるハーブ。このエキナシア畑は、「エキナシア プロジェクト」として、3.11で犠牲になられた多くの方々へ想いを馳せながら今年、手で石を取り除いて種まきをしたという思い入れのある場所だそうです。
花摘みは、ハサミを使って、ひとつ一つ丁寧に。
あっという間に、沢山収穫できました。
さすが自然農。野生の日本蜜蜂や毛虫、青蛙等の生きものが非常に多かった。彼らが、喜んでいる様にさえ見えましたね。
皆で記念撮影。こんなに沢山の方が参加されていました。凄い!

…と、あっという間に昼食タイム。
勿論、この農場で収穫した山の幸と駿河湾でとれた海の幸を使った贅沢なメニュー。味付けは、シンプルな塩、味噌、香味野菜を使い、素材の味をいかした調理でした。日本食を得意とする料理長から食材についての解説もあり、一つ一つ味わうのが楽しみでした!
午後は、収穫祭!まずは、薩摩芋!
 薩摩芋掘りは、何年ぶりでしょうか?野菜の「力」は、改めて本当に強い!と痛感しました。土の中深くしっかり根を張り巡らせているので、そう簡単には掘り出すことはできません!
続いて、生姜!
私「生姜塚」としては、生姜は他人事では無い気持ち。こんな感じで(ゴソッと割と簡単に?!)収穫できるんですね。土と生姜の香りが混ざった、スパイシーな香りが漂っていました。
自然農で育った野菜の特徴は、土の中から栄養素を自らとらえようとすることから、直根から毛細根がたくさん伸びていることだそうです。自然農は、人間が農作物に肥料を与えたり手を掛けて過保護にして育てるのではなく、農作物自らの生きる力に任せるという方法です。だから、農作物は、自らにとって必要な栄養素を必要な量を土の中から吸収して生きている。栄養豊富な土にしていくためには、土中の微生物、虫、土竜等の生きものが要となってきます。
なるほど!「百聞は一見にしかず」ですね。
続いて、里芋!大きな葉っぱの上には、お昼に降った通り雨の雫がコロコロ転がっていました。山ならではのお天気ですね。
そして、落花生!
初めて落花生の収穫を体験しました。こんな風に成っているいるんですね。
そして、生の落花生を試食。これが、シャキシャキして美味しいんです!
そして、掘ったばかりの薩摩芋で焼き芋大会!(休憩タイム)
なんて贅沢なんだろう!本当に美味しかった!
最後に、馬鈴薯!あれ?馬鈴薯の茎や葉っぱはどこにあるんでしょうか?今回初めての試みだそうですが、6月頃に茎や葉が枯れた後も馬鈴薯を掘り出さずに土の中にねかせるという保存法です。ということで、土しかないところを手探りで掘るのは大変でしたが、宝探しをしてるようで面白かったです。
最後に、小松菜のスムージーを味わって、至れり尽くせりの「秋を満喫できた収穫祭」でした!寅子さん、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
都会で生活していると、「土」の感触と香り、土の中や植物に寄り添って生きている生きものたちのことを忘れてしまっていることに気付きました。更に、今回私たちは、農作物を掘らせていただきましたが、これらの種とりから始まる農作業に携わる方たちへと、自然の巡りがあって初めて実るということへの、感謝の気持ちを忘れていることにも気付きました。でも、一番大事な気付きは、私たち人間こそが自然を頼りにして生きているということを忘れていたことでした!
コンクリート・ジャングルの中では、生活するには便利なことも多いのですが、生きているという感覚を失っていくことも多いのだと想いました。
今回の講座では、私たち人間のもつ五感をフルに使って「秋の収穫」を存分に堪能できました!


ここで、スペシャル情報です。
今回お世話になりました「日本豊受自然農」との、アースデイ大学の「特別講座」実施が決定しました。11月16日、新嘗祭を直前に、「収穫・日本食」をテーマに開催。美味しい講座になりそうです!
近日、詳細をアースデイ大学のホームページに発表致します。乞うご期待。