第1回目の「昼間の屋外」での講座からガラッと代わり、第2回目は「夜の屋内」で
港区立エコプラザ(屋内)にて、9月3日(水)、「中秋の名月に想いを馳せる『源氏物語 × 香道』〜「月」を通して自然との関わりを見直そう〜」が開催されました。
今年9月8日は「中秋の名月(十五夜)」。
そして、9月9日は、月が地球に接近して通常より大きく見える「スーパームーン」。
そんな「月」に注目が集まる機会に、「月」通して日本伝統文化に触れる講座となりました。
会場は、JR浜松町駅から徒歩4分の近さにあり、木材をふんだんに取り入れた心地よい空間の「港区立エコプラザ」。都会のど真ん中(日常)で、"月"と"日本伝統文化"(非日常)に触れる"という、アースデイ大学らしさをカタチにすることができました。
第2回目の講座は、定員25名に対して、キャンセル待ちが出る程に。幅広い年齢層の方にご参加いただき、ありがとうございました。(残念ながら参加できなかった皆様には、この場を借りてお詫び致します。是非、次回の参加をお待ちしております)
まず、今回の講座を企画したBLUEBIRD代表の生姜塚理恵が、着物姿で登場。アースデイ大学の紹介・今回の講座紹介がありました。今回は2部構成の、とても贅沢なコンテンツです。
第1部は、ゲスト講師「石井和子さん(フリーアナウンサー、日本気象協会顧問)」が登場。自然環境という視点からみる「源氏物語」・物語に出てくる「月」についての、大変ユニークな視点の講座でした。
そして、源氏物語で月が象徴的に描かれている「桐壺」「須磨」の朗読。そして、その解説。この朗読が素晴らしかった!凄かった!石井さんの朗読に、参加者の皆さんが、源氏物語の世界にグイグイ引込まれていきました。
源氏物語が書かれた平安時代も、この現代も、見ている月の姿は同じ。しかし、月を通して自然を味わう感覚は、現代人には無くなっている感覚になっていることに気がつきました。。。
続いて、第2部。香道体験がスタートです。
香道とは、香を聞き、その組合せを当てる「香りの記憶ゲーム」。そして、香道には「古典文学」「歌道」の内容が多く取り込まれており、知性、想像力、記憶を必要とする最高に知的好奇心を駆り立てる遊びだったのです。「香」という文字から女性的なイメージが湧いてきますが、実は、かの戦国武将である織田信長や徳川家康を始めとする男性の愛好者が非常に多かったそうです。
今回は、第1部からの流れを受けて「源氏香」。そして、「月」をモチーフにした「月見香」の2席を体験していただきました。
BLUEBIRD代表の生姜塚理恵自身が、お手前を披露しました。
香道体験の間、スクリーンには「月」の映像が写し出され、BGMに「虫の音」「波の音」が流れ、中秋の名月を屋外で味わっている様な雰囲気の中で進行しました。いい感じです。
香炉が、次々に廻ってきます。ほのかな香りの違いを聞き分けるのは本当に大変。普段使っていない感覚(嗅覚)を一生懸命使っている気分になります。。。
源氏香は、5種類の香を聞き分けるのですが、答えは、正に「源氏物語」の巻のタイトルになっている(写真の様に)。そして、印象的かつ象徴的な「絵柄」になっている。皆さんもご覧になったことがあるのではないでしょうか。
香りを思い出しながら、答えを「記紙」に、筆を使って書き留めていきます。難しい。。。
答えは、執筆が(写真の様に)記録にまとめます。これ自体にも。文化を感じますね。
続いて、2席目。月見香のスタートです。1席目から席替えをして、気分一新。
2席目になると、手付きも馴れてきたかもしれません。
香道体験には、石井さんも参加されて楽しんでいらっしゃいました。
月見香の答えも、ちょっと風情があります。
「月」「ウ」の2種の香を3回聞くのですが、香の出た順番で、答えがユニーク!
「月・ウ・月」ならば、「ウ」は水として、答えは「夜空に浮かぶ月が水面に映っている様子=水上月」に。「ウ・ウ・月」ならば、「ウ」は空の様子として、答えは「夜明けの薄青色の西空に残る月=有明」といった様に。。。イマジネーションを掻き立てられますね。
ということで、あっと言う間に、2席の香道体験は終了となりました。
参加した皆様は、とても満足された表情が印象的でした。「普段使わない神経」を使ったので、少しお疲れになったのかもしれませんね。
最後に「講座の振返り」「次回講座(万葉集が登場!)の予告」で、今回の講座は終了となりました。
月は「地球のリズム」を作りだしている存在です。
都会のコンクリート・ジャングルの中にいると、月の存在、ましてや、その明るさや風情を感じにくくなっています。でも、日本には、古来から「月と向き合う・取り入れる文化や環境」があった。それを、改めてこの講座で感じることが出来ました。
「月」への興味が増したのは、私だけでしょうか? 何故か「地球」に対する関心も少し増した気分になります。
参加された皆様、ありがとうございました。
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