アースデイ大学が、なぜ「オオカミ」を取り上げるのか?
オオカミといえば、まず「赤頭巾ちゃん」や「3匹のこぶた」が想い浮かぶのでは。幼い頃から「オオカミ=恐ろしい生きもの」になっています。でも、それは「童話の世界」でつくりあげられているイメージで、実際のオオカミの生態を理解していますか?
オオカミは、日本では「絶滅」してしまった生きもの。正しく言えば、「人間が絶滅させた」ことを知っていますか?
最近、シカが増えすぎて、「シカの食害」で森や植物の荒廃が深刻!との報道が散見される様になってきました。そんなシカの天敵が、オオカミだと知っていましたか?
日本オオカミ協会は、そんな偏見をもたれているオオカミが「日本の生態系を守る為の、重要な生きもの」として注目。協会は「シカの天敵」かつ「生態系の頂点捕食者」であるオオカミの日本導入を目指して活動しています。
「オオカミ=生態系を健全にする生きもの」
アースデイ大学としては、「それは、どういうことなのか?」と、興味を抱かずには居られません。
今回の講座会場は、長野県諏訪市の霧ヶ峰高原(天然記念物)。
ここ霧ヶ峰の高山植物も、「シカ」の増えすぎのため、危機に瀕しています。生態系が壊れかかっています。
今回、アースデイ大学は、前日18日から霧ヶ峰に入り、霧ヶ峰の理解を深めることからはじめました。
霧ヶ峰高原は、新宿から電車(約2時間)で「茅野」に。そこから車で約1時間ほど走って到着。この日は秋晴れの心地いい天気で、ドライブには最高にコンディションでした。
遠くには、八ヶ岳連邦を望み、富士山も良く見えました。
また、噴煙をあげている御岳山も確認できました。
高原一面に群生しているススキに、太陽に当たってキラキラ!とても美しい光景です!
まずは、八島ヶ原湿原に。1万年以上かかって出来上がった湿原で、学術的にも貴重な湿原だそうです。湿原の形がハード型でした。
夕方の光景も、素晴らしい!
夜には、真っ暗な山道の中を、シカを観察に行きました。
すると、凄い頭数に遭遇!!!
おそらく50匹はいたでしょう。上手く写っていませんが、この写真(画角)の中には約10頭のシカがいます。
このシカは、霧ヶ峰に生息しているシカの、ほんの一部にすぎないと想います。でも、この凄い頭数のシカが高原の草木を喰い散らかしていることの恐ろしさは、十分体感できました。
翌朝、車山湿原に。清々しい気分になります。
ここでは、シカの痕跡を多数確認できました。
食いちぎられ笹、道路上の足跡、シカが通って出来た獣道、シカが寝転がっていたとおもわれる窪み。。。
シカが湿原に入らない様に、広大な湿原を取り囲む様にフェンスが設置されていました。
「鳥獣保護区なのに、シカは別扱い」であることに違和感を感じました。問題が起きている現場では「シカは否定的な存在」になっているんですね。
さて、講座「霧ヶ峰でオオカミを語る」がいよいよスタートです。
会場は、霧ヶ峰高原では超老舗「コロボックル・ヒュッテ」。
会場には、オオカミ看板も設置。オオカミは等身大だそうです。
総勢15名の方が参加されました。地元の方が中心でしたが、皆さん「霧ヶ峰の実態に問題意識のある方」ばかりです。
約3時間の講座で、前半は「欧米での、オオカミと人間の共存状況」を詳しく、分かりやすく学ぶことが出来ました。知らないことばかり。自分自身に、オオカミに対する著しい偏見があることに驚きましたね。
後半、Q&Aタイムでは議論が白熱!霧ヶ峰で生活する方々にとって、もし「霧ヶ峰にオオカミが導入」されたら、シカの害は減るかもしれないが、「本当に」オオカミと人間は共存できるのか?と。当事者意識になると、気持ちは分かりますね。
(詳しい内容は、オオカミ協会にお問合せを)
今回「オオカミと生態系の関係」について、多くの学びがありました。
更に、「物事や状況を把握するには、様々な視点が必要!」という当たり前のことを、改めて体感できました。特定の情報だけで、自分の見方を決めてしまう。情報過多の現代は、そういう人がとても多いのではないでしょうか。今回は、「オオカミ」についてでしたが、「世の中に起きている様々な問題」への向き合い方にも、意識的に工夫する必要性があると感じました。(日本オオカミ協会の皆様、お世話になりました)
<おまけ>
今回の講座会場になった「コロボックル・ヒュッテ」は、食事も最高!
まずは、コーヒー。カップもオリジナルで素敵だが、、、
サイフォンに入って登場。そして、とても美味しい!!!極めつけは「ボルシチ」!これも美味しい!
と、少し「旅気分」が入ってしまいましたが(苦笑)、大変有意義な2日間でした。
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